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要件整理のポイント

生産管理システムを導入する際に重要なのは、要件整理のプロセスです。これが適切に行われていないと、導入後に問題が発生してしまいます。ここでは失敗例と原因をご紹介したうえで、要件整理の方法をお伝えします。

生産管理システム導入によくある失敗と原因

自社の生産形態にシステムが合っていない

生産管理システムを導入する際には、自社の生産形態がどのようなタイプであるかを再確認する必要があります。例えば、「連続生産タイプ」や「ロット生産タイプ」、「見込み生産タイプ」、「受注生産タイプ」などがあります。自社の生産タイプを把握しないまま、機能の豊富さや導入コストだけでパッケージソフトの生産管理システムを導入してしまうと、後から自社の生産タイプに最適化するために想定外の費用と時間を追加せざるを得ません。

システムが現場で使いこなせず運用されない

製造現場が適応できないシステムを導入すると、かえって作業者の負荷が高くなってしまい、システムの有効性や導入効果が理解されず運用されなくなる恐れがあります。現場の要望に耳を傾けずシステム部門だけで導入を進めてしまうと、導入したにも関わらずシステムが現場に受け入れられない状況が発生するため注意が必要です。

システム導入の目的を明確にできていない

生産管理システムを導入する際は、生産・購買・品質管理・原価管理・在庫管理などのさまざまな部門が関わります。各部門がそれぞれの課題だけを解決しようとすると、システムの全体最適が実現できず、中途半端なシステムになってしまいます。生産工程全体を最適化するためには、課題を洗い出すだけでなく、優先順位を明確にしなければなりません。

理想的な生産管理システムの導入プロセス

システムを導入する際は、部門を超えた全社的な取り組みが不可欠です。企業として取り組むべき今後の課題とシステム導入の目的を擦り合わせ、優先順位を決めて検討を進めていきます。

このとき、現場へのヒアリングを行ってから経営トップへのヒアリングを行うのではなく、経営トップから現場という順番でヒアリングを行うとよいでしょう。そうすることで会社全体としてのシステム導入の目的を定めることができ、全社横断的な導入が実現します。

生産に関わる全部門の業務効率が改善されてこそ、生産性アップにつながります。生産管理システムの導入は、一部門だけを部分最適で考えるのではなく、各部門の業務を相互理解しながら、全体最適の考え方で検討していく必要があります。

要件を整理する方法

自社の製造現場に適したシステムにするには、要件を洗い出し整理する必要があります。会社全体で導入目的を意識しながら、優先順位を決めましょう。多くの機能を導入したくなったり、細部を気にしすぎたりすると、肝心の導入目的を達成できなくなってしまいます。幅広く対応できるシステムを作ろうとするのではなく、自社の目的達成のために必要なことを絞り込むことが大切です。

当社では、具体的に以下のような手順で要件整理を支援します。

①課題と目標の明確化

システム開発のプロジェクトは、課題と目標を設定するところから始まります。まずは、業務の属人化や情報の煩雑化など自社にとっての課題を特定し、それらを解決することで「作業者●名削減」「●%の業務効率化」など具体的に達成したい数値目標を決めます。そして、これら当初の目的から乖離しないようにプロジェクトを進めていくことが大切です。

②システム全体の構成を明確化

①で設定した課題の解決と目標達成に向け、システム全体におけるソリューションや機器の構成を明確にします。

③システム要件の整理

システム全体の構成が明確になったら、「業務要件」「機能要件」「非機能要件」を整理します。

業務要件:各業務の課題および改善に関する要件
機能要件:システムの機能に関する要件
非機能要件:システムの性能、拡張性、保守性、セキュリティなど機能以外の要件

最適なシステムの構築に向け、お客様独自の業務や特殊な要件なども、細かくヒアリングします。改善後の業務モデルをイメージしながら、運用に最適な機能、処理フローを定義します。

④要件定義書の作成・確認

システムの内容、プロジェクト体制、スケジュールなど、システム開発のプロジェクト推進に必要な情報を「要件定義書」として提出します。基本設計業務への着手に向け、プロジェクトやシステムの内容等に問題がないか、お客様との合意形成を図りながら詳細を詰めていきます。

⑤導入後の効果検証

導入当初に設定した目標の達成率や効果検証もサポートします。そして検証結果を踏まえ、さらなる業務改善に向けて機能の追加や改修をご提案します。

まずは、「①課題と目標の明確化」をお客様で十分検討していただくことが重要です。「②システム全体の構成を明確化」「③システム要件の定義」はシステム会社の知見も必要になるため、一緒に検討していくことで、要件の整理がスムーズになると考えます。

TONOPS® 生産管理システム

最後に、当社のTONOPS® 生産管理システムを簡単にご紹介します。TONOPS®はスピーディーな導入と柔軟なカスタマイズ対応を強みとするセミパッケージ方式の生産管理システムです。東レグループ各社をはじめ、製造業を中心にさまざまな業種のお客様への導入実績があります。工場規模の大小に関わらず、計画、製造工程、出荷まで、製造業で必要とされる生産管理の機能を網羅しています。AI・データ分析などの多様な要素技術を組み合わせ、さらなる効率化の実現を支援します。

「生産管理システムについてもっと知りたい」「導入検討の進め方がよくわからない」そんなときはぜひ私たちにお問い合わせください。

例えば、次のようなことがご相談いただけます。

製品・事例のご紹介

当社が提供するTONOPS® 生産管理システムについて、製品全体の紹介を行います。そのうえで、お客様の課題を踏まえ、最適なソリューションや過去事例をご紹介します。

システムデモ

生産スケジューラ、MRP機能、工程管理システムなどTONOPS®のデモンストレーションを行い、各機能の画面イメージや操作感をご確認いただけます。

業務上の課題調査

打合せでお客様の課題をヒアリングしたうえで現地調査して課題を明確化し、なおかつお客様の気づかない課題を顕在化します。現在の業務課題とシステム導入によって目指す姿を整理します。

システム要件整理と解決提案

現場での運用なども加味しながら、お客様の目指す姿を実現するためのシステム構成やカスタマイズ内容を整理し、提案します。

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